人間とれぇえ、つーかなんでこんなにこんなに読みにくいんだか。(ストループ効果)。
前回のエントリでは「読めないはずだけど読める」文章というのを取り上げてみたわけですが、こういうちょっと不思議現象というのはいろいろあって、実は「漢字読めるけど書けない」なんていうのもその一部かもしれません。ちなみに僕は小学校一年のとき、クラスで一番漢字読めるけど、クラスで一番漢字書けないガキんちょでした。読むのは見てるだけで覚えられるけど、書くのはなんか面倒だったからです、たぶん。
さておき、今日は「文章」ではなく「色」について注目してみたいと思います。といっても素材は文字列なのですが。ためしに下の文字列の「文字の色」を読み上げてみてください。たとえば「Z」という文字があったら「青」と読むということです。ではどうぞ!
青赤黄黒緑黄黒青青緑紫桃黄黒青赤
青緑紫桃黄黒緑紫桃黄黒青赤黄黒青
桃黄黒緑紫桃黄黒青黄黒青青緑紫桃
はい。おつかれさまです。きっとあっという間に読み終わったと思います。
では次は、同じように下の文字列の「色」を読み上げていってもらえますか?
黒黄緑赤青青紫赤緑桃黒青白黄白青
赤紫緑黄桃緑黒桃紫緑赤緑青赤赤赤
黄青赤青黄緑白赤黒黄赤緑紫桃赤青
これ、なんかすっごい読みにくいでしょう?
たぶん肌感覚でわかると思うのですが、先にあった文字列にくらべて最後まで読むのにはるかに時間がかかったはずです。でもこれ、上の文字列と下の文字列で、色の順番は全く一緒です。ただ、書かれた文字が代わっているだけです。
たとえばこれが
●■■★▲★●●★▲★★●■▲▲
■★▲●●●★■★●●■●▲▲★
●青★●■●▲★●■▲★▲●■■
だとまあ、最初の文字列に近い感じで色を読み上げられるはずです。
これ、何が起きているかというと、二番目の文字列では「文字の意味」と「文字の色」が異なることで葛藤が生じていて、それが読み上げるという行動をするための判断を遅らせているわけです。
これって「文字の意味と色がことなることで、ひとつの対象に対する二つの認知が矛盾しているために、認知的な葛藤が生じている。」と言ってもいいし「文字の意味と色が異なることでひとつの対象から二つの矛盾したメッセージが送られてきているため、矛盾したコミュニケーションに拘束されてしまっている。」って言ってもいい。
前者のような言い方をするとそれは「認知的不協和理論」っぽい解釈というコトで、認知心理学という分野の文脈に乗った説明になるし、後者のような言い方だと「ダブルバインド(二重拘束)の理論」っぽい解釈というコトで、臨床心理学という分野の文脈に乗った解釈になるわけです。
どっちも同じコトを言ってるじゃないかって?
たぶん、そうです。
別にどっちの解釈も間違っているわけではなくて、実際に起きている現象をぼちぼちいい感じで説明できる。いくつかの仮説やら理論が存在して、それぞれに「実際に起きている現象」を説明できるんです。
ただ大事なことは、その仮説や理論から出発して、いろんな事実を積み重ねていくことで、その仮説やら理論が正しいのか、どうも間違ってるっぽいのか検証できることです。
もしかしたらこの現象(ストループ現象と言います、学術的には。)も、いろいろ突っ込んで検証していくと、「どうも認知的不協和では説明できん!」というような発見や「ダブルバインドだとちょっと説明として物足りないなあ。」という側面が出てくるかもしれなくて、そういったことがわかったときに、元の理論を適切に修正したり、場合によっては一から作り直したりすることが重要なんです。その先に僕らの知識の進歩がある。だから、説明のしようがいくつかある、ということは、どちらが間違っているとかそういうことではなく、ひとまず受け入れて、そこから考えてみよう!ということです。
心理学とか認知科学は物理学などの自然科学と違って、ひとつの数式やなにかでひととおりのことを説明できるような理論はおそらくできません。だからこそ、このようないろんな解釈の仕方が発生するし、それぞれに「なんか正しそう」という立脚点として使っていくことで、新しいところへ辿りつけるわけです。(おそらく物理とかの分野も同じようなプロセスを踏んでいるとは思うのですが。)
ついでに、二番目の文字列を「文字の意味」で読み上げてもらうとわかると思うのですが、大方の人にとってはさっきの「文字の色」を読み上げるという行動に比べると幾分ラクなはずです。といっても一番目の文字列を「文字の意味」で読み上げるよりは難しい(はず)。ここからは、僕らの脳の中の判断的にはどうも「意味>色」っていう序列があるんじゃなかろうかということが推測されます。
「なんで、そうなのか?」「いつでも、そうなのか?」といったことをそれぞれの理論から考えてみて、検証したり検討したりしていくことが、小さい一歩とはいえ、僕らの脳がどんな風にできたんだということを知っていく上で、非常に重要なことなんですね。
人間すげえ?
こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
ちんゃと よためら はのんう よしろく
というコピペが巷を賑わしていますが、僕も発見後即、周辺のみなさんにほとんどスパムなイキオイで撒き散らしてみました。いやまあもともと認知科学好きなんですが、この文章は「研究の結果としての発見」と「発見の応用としての表現」がユーモラスに両立されていて、非常に面白いなあと思ったんです。
この現象をまとめていうと、人間が「文章」として書かれた文字列を理解するにあたり、『先頭から順に一文字ずつ文字単位ベースで意味を編成し理解していく。』という方式はとっておらず、『文節もしくは単語を単位として意味を捉えて理解していく。その際の1単位の意味理解の方法は、連ねられた文字の順序よりも、文字の構成要素の把握が優先されている。』ということなんだろうと思います。
たぶんこれって『脳のリソースを効率的に使う』ということの一側面だと思うのですが、ひとつの文節ナリ単語があるときに、『先頭から順にどの文字が使われているか把握しながら候補となる言葉をしぼりこみつつ、最後の文字にたどりついた時点でその語を同定する』よりも、『先頭と末尾の文字を把握しある程度候補を絞り込んで、残りの文字要素からその語を同定する』という多少乱暴なやり方のほうが経済的(速度も速いし疲れない)、ということから導かれた現象なのだろうと推測します。
その代わり、この「経済的な読み/意味理解プロセス」はある程度以上慣れ親しんで言語でなければ成立しないと思います。その証拠といってはなんですが、僕のなかよしの「日本語ネイティブ・英語かなり達者・ベトナム語それなり」という女子は、
Aoccdrnig to a rscheearch at Cmabrigde Uinervtisy, it deosn't mttaer in waht oredr the ltteers in a wrod are, the olny iprmoetnt tihng is taht the frist and lsat ltteer be at the rghit pclae. The rset can be a total mses and you can sitll raed it wouthit a porbelm. Tihs is bcuseae the huamn mnid deos not raed ervey lteter by istlef, but the wrod as a wlohe.
という、英語による同様の文章は完璧に理解できたそうですが、自分で作ったベトナム語の順序入れ替え文は(ベトナム語表記上のルールの問題もからむとはいえ)、それほどスムーズには理解できなかったそうです。
人間の脳のはたらきというか情報処理には、こんなような独自のルーチンやらなにやらがいろいろあって、時としてそれは僕らの直感的な予想と大きくずれていたりするようです。その意味では自分自身の感覚すら裏切るという点において『人間すげえ』と思います。
このブログでもたまに、そんなような、時としてなんでそんなことが起きるのかちょっと理解を超えていたり、ずいぶんいい加減にできてるなあという意味で驚かされる脳の情報処理関連の『人間すげえ』エピソードを紹介していこうかと思いました。
ま、僕自身の復習&再学習をかねて。
そゆこと?
なんで農林水産省って、あたりまえじゃん!とのことです。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090430 によると
「食料の備蓄」を呼びかけているのは当然、農水省です。
“当然”でしょ?
あー、そーですかそーですよねー。
なんかなんでも自分事にしちゃうんだな、省庁。けっこうたくましいじゃんお役人さま。
パンデミック対策
会社でヒマだったんで(うそ。超激忙。)パンデミックの対策でもしちゃおっかなー、と思って、対パンデミックお買い物リストをGoogleさんにお願いして検索してもらいました。
やっぱりパンデミックくらいの事態になると、食べ物とかいろいろ買い込んでおかなきゃ、と思いつつ、実際なにがどんだけ必要か知りたかったんです。
検索ワードは「パンデミック 対策」。期待としては『ある程度公的なところが検討した、どの程度の準備しとけばサバイブできるよ、といった内容の情報』が欲しかったのですが、その検索ではあんまりいい感じのサイトが見つかりませんでした。
で、そこからわりと必死にWeb上をうろうろしていたら見つけました『公的なところが検討した、どの程度の準備しとけばサバイブできるよ』情報。でも実はここにたどりつくまでけっこう彷徨った!
それがURLでいうと
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/pdf/gaido.pdf
その名も『新型インフルエンザに備えた家庭用食料品備蓄ガイド(PDF:1,896KB) 』です。
要するに「インフルエンザ 備蓄」とかで検索するとわりとさっさとこのサイトにたどりつけたようなんだけど、このページ、どこのサイトにあると思います?
なんと「農林水産省」のサイトなんです。
なんで「インフルエンザ」の情報が「農林水産省」に?というのが素直な疑問です。っていうか、これ、みんな「インフルエンザ情報→農林水産省」ってすぐに思えるのかな?ちなみに、まっさきに「厚生労働省」のサイトに行った僕はなんか大きく間違っている?
どうなんでしょう、そのあたり。まあそれは僕の無知ってことでいいとして…
このページを見てください
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/influ.html
農林水産省の「新型インフルエンザ対策」のページなんですが、、、
って階層になってるんです。すっごいなんで?意味わかんない?なんの関係があるの?
なんで食料自給率?
で、さらにこれが「新型インフルエンザ関連情報」っていうページhttp://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html になると
ホーム > 食料 > 食料の安定供給 > 新型インフルエンザ関連情報
ていうところにあります。
え、もう、なんで?よくわかんない。
食料の安定供給と新型インフルエンザって、なんか関係あるんだっけ、っと小一時間考えてしまいました。まあお役所のやることなんで、なんかしら「意味のあるつながり」はあるんでしょうけど、一コクミンの視点からいうと、こういうの、もう少し探しやすいところに見つかりやすいように配置してくんないかなあ、と思いました。
こういう人の命や生活がかかったことなんだし、省庁間で相互リンクするとか、SEO的に引っかかりやすくするとか、リスティング実施するとか、なんでもいいけど皆様の目に届きやすくして欲しいものです。つーか税金はそういうことに使いやがれ。とかぽろっと言ってしまいそうになりました。
ケータイから
ケータイからアップするテスト。いろいろ確認したいことがあるのですが、まずは改行の実験。
うまくいったかな?
次は改行プラス一行空け。うまくいったかな?
さておき先日の誕生日にいくつになったか聞かれたんですが、その質問に興味がなかったのとケータイいじりに夢中だったので、とりあえず「18」と答えたんですが、数秒の沈黙のあと「ケータイいじってる姿は18っぽいね…」と冷たく言い放たれました。
聞くと、「両手でケータイに入力するさま」が、非常に18歳的にバカっぽいとのこと。なんだその差別的な見解。どう考えたって両手入力の早いって、ケータイ。ビジュアル的なバカっぽさに気をとられて真に効率的な方法を見失ういい事例かもと思いました。
ということでいま21時53分。どのくらいのディレイがあるかもついでにテストです。
3月までのまとめ
なんかインパール作戦をしながらキューバ危機に対応しつつ、非常に内向きに攘夷運動を展開していました。なんかでも攘夷は完了したようです。ってまったく意味わかんない感じですが、近い将来これをみて苦笑いできるようがんばっています。でもヘドを吐きたくなるような記憶になっている可能性も当然ながら否めません。
どだいインパール作戦やらされちゃってるってところが泣けます。こないだ、「ザク2機でいいから現地展開を強化する補強を!」とエライ人におねがいしたら、なにを思ったかジオングを送り込んできやがるようです。こんな足の無い奴地上戦でどう使えってゆうんだ、バカ。
まあ最近のお仕事はこんなふうにスチャラカに進んでいます。それでも気分はわりと前向きなのは、美しい桜のなせる業なんでしょうか?